どん底のサロメ 梅雨の人夫

梅雨の人夫

ブリューゲルの魚に呑まるる土用波

夏痩せてタイルの目地に迷い込む

帯締めて男しめ出す青畳

ヘビ女の幟残れり野分あと

弱虫なものの落ちゆく蟻地獄

銀漢に杖つき老婆歩むなり

露伴の忌 水煮の豆を食うている

うすものに捕らえし螢母ならむ

炎天や真鍮しんちゅうの身の男欲る

北斎の梅雨の人夫と通じたり

どん底のサロメが首を所望する